Vol. 19: 英語がペラペラ

    英語圏への海外転勤のメリットの一つは、なんと言ってもお子さんが生きた英語を学べるということでしょう。日本の英語教育も、韓国や中国に追いつけ追い越せとばかり、小学校でも評価が始まります。

アーバイン市にあるUniversity of California, Irvineでは英語が母語で無い人々への指導者養成コースTeaching English as a Foreign Language (TEFL)が評判で、日本からも英語の先生が派遣されています。先生方も本場の指導法を学び、少しでも日本の子供達に英語を好きになってもらい、力を伸ばしたいと意欲を燃やして学んでおられます。

国を挙げて英語教育に力を入れる中で、毎日英語漬け、それもネイティブの先生から習うだけでなく、クラスメートもみな英語を母語とする人と半日以上を過ごすのですから、引越し前には「今度会うときはペラペラになってるね」とうらやましがられる方も多いはず。もちろんご両親にしても、お子さんが英語を話す姿を想像するだけで笑顔が浮かんでくるでしょう。

夢いっぱいでアメリカに来ようという皆さんに、その夢を打ち砕くようなことを書くのは気が引けますが、残念ながら、現実はそう簡単にはいきません。一部の子供を除いて、語学の習得には時間がかかり、バイリンガルにするには親子でかなりの努力がいるということを頭の隅に入れておいてほしいと思います。

学齢前であれば日常使う単語数も少ないので、置き換えも早く、プレスクールではおもちゃを取られないように、”No.”と“It’s mine.”ぐらいでいっしょに遊んでいる日本人の子供もよく見ます。けれども遊んでいるからといって、それは英語を「マスター」しているわけではありません。

そもそも「英語をマスターする」や「英語がペラペラ」という表現には基準が全くないので、個々のイメージでしかなく、そのイメージで自分のことをとやかく言われるのは、子供達からするとストレス以外の何者でもありません。

大きな知的障害がなければ、どんな子供も、親や周囲から話しかけられる言葉を覚え、単語を組み合わせて自然に話ができるようになります。親は「子供」というだけで、それが第二外国語の習得にも適応すると思い込み勝ちですが、語学は得意不得意が顕著な上に、外交的か内向的かという性格も加わり、英語環境で生活していても、自分から「英語を話す」までにはかなりの時間差がでてきます。

出国前に膨らんだ夢が急速にしぼみ、お子さんをしかったり、親御さんが落ち込むことがないように気をつけましょう。水泳選手でもサッカーは苦手、ゴルファーでもスキーは下手など、運動神経がよくても得意なスポーツは違うのですから、語学もまた然りです。

大切なことは、子供といっしょに英語を学ぼうという親の姿勢、そしてお子さんの努力を認めてあげる包容力です。親子でいっしょに本を読み、宿題をする。ともに努力し、励まし合う生活の中で生まれる親子の絆がお子さんの英語力を最大限に伸ばす源になります。

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