Vol. 24: 日本語保育と英語保育

February 11, 2016

       日本人駐在員が多い英語圏に限られるかもしれませんが、2歳児からスタートするプレスクール(保育園)の選択でよく相談を受けます。日本語保育を中心にする園があるからで、それと現地の英語保育とどちらが良いかというものです。

 

 答えは、ご期待に沿えず心苦しいのですが「どちらとも言えません」。理由は主に3つあります。

 

       まず1つ目は各家庭で教育方針が異なるからです。駐在期間がわかっている場合、残り年数が少なく、帰国後のスムーズな編入を優先するのであれば、答えは日本語中心の保育園になるでしょう。ある程度の学齢まで滞在が予測され、現地小学校への適応を優先するのであれば、英語環境に慣れていた方が適応が早いのは言うまでもありません。

 

       2つ目の理由はお子さんの適正や性格に個人差が大きいことがあげられます。運動能力や芸術分野の能力同様、語学習得にも個人差があり、一般論はあまり意味がありません。もちろんお母さんが話す母語は、何語であれ、障害がない限り3歳ぐらいで日常会話はできるようになりますが、学習で使う言葉はそれとは異なる単語を多く使うため、誰もが簡単に二言語を覚えられるわけではありません。幼児期の会話能力には性格が外交的か内向的かでも差が大きく、バイリンガルを目指すあまり、英語保育に入れて不適応を起こすこともありますから、できれば英語指導の体操や音楽教室でウォーミングアップし、さらに保育園の体験入学でお子さんの様子をできるだけ客観的に判断して適正をみるのがいいでしょう。

 

       3つ目は家庭の言語環境の違いです。「うちでは日本語に決まっているのに変なことを言うな」と思われるかもしれませんが、一つ屋根の下にいても子供たちがお母さんと話す時間、言葉の量は同じではありません。年齢にあった言葉の習得に、絵本の読み聞かせやいっしょにテレビを見てその話をするなど、わが子との会話を豊かにする方法は分かっていても、継続にはストレスもつきもので、静かにさせるためについiPadやゲーム機を与えて長く放っておくというようなこともおきかねません。

 

       ドライブ中に見える外の景色についてでも、ファーストフードレストランでの他の人の様子でも、会話の多い両親のもとにいると、たとえ難しい日米間の話であっても子供なりに理解し、自然と意味を身につけていきます。そうした日本語環境が家庭内に整っていれば、英語保育を受けていても、母語はそう揺らぐことはありません。

 

             選択肢があることで迷いが生まれてしまうのは、親なればこそ。周囲をみるあまりわが子を見誤ったり、自分たちの教育方針がぐらついたりしないようご夫婦でよく相談し、できればいっしょに保育園の見学に行って、納得のできる選択をしてほしいと思います。

 

 

 

 

 

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