Vol. 27: 大学受験南カルフォルニア事情

先月、日本語補習校で高等部の生徒による「弁論大会」が行われました。テーマは自由なため、いまどきの高校生がどんなことに関心を持っているかがよくわかります。時代を反映し、スマートフォンやインターネット関連が多くありましたが、現地校での競争や米国での大学進学への厳しい現状を訴えた生徒が何人かいました。

アメリカの大学入学は、日本のように当日の試験で決まるわけではありません。全米統一テストの成績、高校卒業年から遡り過去3年間の学業成績の平均(GPA: grade point average)課外活動の記録、入賞歴、ボランティアやアルバイト、指導者の推薦状など、願書には多角的に人物を判断する項目が数多くあり、子供達も机に座って勉強さえしていればいいというわけではありません。

特に大学進学率が高く、難関大学に多数が入学する進学校では毎日課せられる宿題の量が多く、それを終らせるだけでも数時間かかるところに、放課後にクラブ活動があれば、宿題を始める時間も遅れ、午前2時・3時に寝ることもしばしばのようです。当然、効率も落ち、いつも時間に追われてしまうのです。

少しでも良い成績をとろうと努力することはけっして悪いことではありません。けれども、学業だけでなくスポーツや音楽の能力に長けたスーパー高校生に追いつこうと自分を見失ってしまうと、努力が空回りを始め、精神のバランスを崩してしまう生徒も少なくありません。

ファイナルとよばれる学期末試験はもちろん、普段の授業中に行われる小テストの点数にもこだわるあまり、弁論には「廊下で泣いている友達を何人もみた」だけでなく「親の期待とプレッシャーに耐えかねて、リストカットをしている友人」の話まで出てきて、事態が深刻なことが察せられました。

中学から編入し、高校生活を体験して、日本の帰国子女枠で大学受験を目指すお子さんもたくさんいますが、「アメリカの大学は卒業は難しいけれど、入るのは簡単」と間違ったイメージをもっていないでしょうか。名だたる大学は入るのも、卒業するのもたいへんで、UCLA(University of California Los Angele)では願書を出した数に対して合格者は20%ほどという狭き門です。

韓国、中国、シンガポールなど東南アジアの厳しい受験勉強を経験した親たちが我が子にかけるプレッシャーは、日本の親とは比較にならないほど強く、みな自国の受験を批判しつつ、少しでもランクの上にある大学へ子供達を入学させたいとやっきになっている。

これがいまの南カリフォルニア大学受験の実情です。

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