Vol. 1: 神様が与えてくれたチャンス

March 1, 2010

 私が住む南カリフォルニアのオレンジ郡は、1年中温暖な気候の上、治安もよく、公教育のレベルも高いことから多くの移民が住んでいます。
 おかげで、お隣のメキシコはもちろん、中国・韓国・ベトナム・フィリピン、タイなどの東南アジア、インド、さらには、イラク・イラン・シリアなどの中東を含めて、それぞれの民族が経営するスーパーやレストランがあり、居ながらにして世界の味を楽しむことができます。

 当然学校でも、国籍や民族の違う子供たちがたくさんいて、転勤で来たばかりの日本人が特に目立つということはありません。市内の公園に出かけると、アメリカというイメージどおり肌が白く、金髪で目が青いという白人もいるにはいますが、赤茶の髪の毛をしたメキシコ系、肌がハニーのインド系、彫りが深くまつげの長いアラブ系等、さまざまな人たちがくつろいで います。韓国や中国からくるアジア系の人々も相当数いて、とてもインターナショナルな雰囲気です。

 ただし、そうした環境にいれば、すぐに英語を覚えて、みんなと打ち解けられるだろうと考えるのは早計です。日本国内であっても自分がなじんだ所から全く友達のいない所へ行くのは不安がいっぱいなのですから、言葉の分からない国へ行く恐怖は、学齢が上がれば上がるほど大きく、わが子の様子をできるだけ客観的に観察することは、海外転勤をする親御さんの大切な役目になります。

 そのとき、仕事のために子供を無理やり連れてきたと自分を責めたり、心配のあまり過保護になってしまうのは一時的にはしかたがありません。でも、親子・兄弟がそれぞれ本音で向き合うこと、そしてお互いに支えあう存在になれるのは、家族にとって貴重な機会ではないでしょうか。

 仕事で忙しいお父さんと塾や習い事で忙しい子供がすれ違い、家族そろってご飯を食べることが少なかったお宅にとっては、神様が与えてくれたチャンスです。家族全員で海外での生活に飛び込んでください。

 下腹に力を入れ、奥歯をかみ締め、覚悟をして乗り出せば、案ずるより産むがやすし。海外転勤のスタートもきっと違ってくると思います。

 

 

著「小田真由美」

 

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