タイ・英国:教育体験記

タイ(バンコク)では長女、長男共日本人小学校にお世話になりました。 
初めての転校で、しかも初めての海外生活で、初日はさぞ心細いだろうとソワソワしながら帰宅を待っていたのを昨日の事のように思い出します。 
バンコクに限らず、海外の日本人学校は海外駐在員の子弟が大半を占めているため、子供たちも転入生には慣れており、受け入れはとてもスムーズで親切です。すぐにクラスのお友達が寄ってきてくれたそうで、不安は取り越し苦労に終わりました。 
バンコクの日本人学校は一学年10数クラスもある大規模校の為、毎年あるクラス替えでは、前学年からのクラスのお友達は2人ということもありましたが、そんな中でも親しくなるお友達は自然と出来ていきました。 
日本人学校は日本の文部科学省が定める学習指導要綱に順じた学校の為、授業内容は日本の公立学校と同じです。違うところは、タイの教育省から週一時間のタイ語授業を義務づけられているくらいです。 
低学年では、タイ文字も発音記号も使わず、日本語のカタカナ表記を用いて挨拶や物の名前を、塗り絵などをしながら日本語が分かるタイ人の先生に楽しく教わります。タイに来て直ぐの子供と、両親のどちらかをタイ人に持つ子供とでは習得度に大きな差がある為、当然クラスは分けられます。 
週に一度の授業なのでなかなか話せる様にはなりませんが、片言の単語を並べてドライバーやお手伝いさんとチョットした話を楽しむレベルにはなっていきました。

 

写真①
写真②

      
そして、3年間のバンコク駐在の後、ロンドンに転勤となりました。 
英国は移民、階級社会であるため、公立の小学校でも学校によって学力の差は歴然とあり、現実にある学校格差から目を背ける訳にはいきませんでした。 
英国の教育システムは非常に複雑です。
公立の学校はState Schoolといいます。
小学校はPrimary Schoolと呼ばれ、前期のInfant Schoolと後期のJunior Schoolに分けられます。
また中学はSecondary Schoolと呼ばれ、無試験で進むComprehensive Schoolと、試験を受けて入学するGrammar Schoolの進学校に分かれます。
一方、私立の学校はIndependent Schoolといいます。
小学校はPreparatory School、中学校はSenior Schoolと呼ばれます。
いわゆるEton校やHarrow 校等のPublic School(米国での公立校という意味ではありません)はこのSenior Schoolに属します。 
小3だった長男は日本人学校へ、そして土曜日や夏休みには現地男子校のサッカークラブに参加していました。英語の習得という点では難しい面もありましたが、サッカーを通して英国の文化に触れたことは貴重な体験だったと思います。 
小4だった長女は自宅から一番近くの公立小学校に入りましたが、担任や校長先生に申し出ても、英語習得のための個別のフォローはして貰えず、結局私立のPreparatory Schoolに転校することにしました。 
この小学校は1学年20名程の小さなアットホームな雰囲気で、卒業するまでの2年間を過ごしました。英語については、週に一回、放課後に担任の先生に自宅まで来て頂き、家庭教師をお願いしました。 
一年半後に迫る11+(イレブンプラス)という中学進学のための全国統一テストに向けて、まだ充分に英語を理解していなかった娘に、丁寧に気長に教えてくださったMs. Hornsby(担任)には感謝しかありません。 
英国の中学受験は、学校が終わって塾に通い夜遅くまで勉強する日本の小学生とは違い、小学生としての生活リズムはきちんと保ち9時過ぎには就寝、家族の時間も大切に、直前の夏休みもみんな1,2週間の旅行に出かけていたのには驚きました。 
受験のために家庭教師をつける家庭もありましたが、書店に並ぶ11+用のワークブック、算数、国語(英語)、Verbal Reasoning(知能テストのようなもの)を毎日家で勉強している子供が多かったと思います。 
合格判定は11+の結果だけでなく普段の成績、体育や音楽や特技、マナー等担任から提出される膨大なレポートによって決まります。
第一志望校から第三志望校までを願書に書き第一志望校に提出すると、もし第一志望校で受け入れられない場合は第二志望校に自動的に回されます。日本のように何校も受験をしてその度に入学金を払うようなことはなく、非常に合理的でよく考えられたシステムだと感心しました。

写真③小学校1年生の最初の英語
写真④一番最初の算数
写真⑤
写真⑥
写真⑦中学1年生の時間割
写真⑧宿題などのメモ帳
  
その後、長女は私立中学で一年半を過ごし、帰国後は帰国子女受け入れの国立大付属中学を経て、私立中学に2年生で編入しました。小学校は4校、中学校は3校転校を重ね、親の転勤で子供達には苦労をかけたと思いましたが、本人達は様々な経験を通して海外生活を楽しみ、貴重な体験、財産となっている。感謝している。と言ってくれた時には、子供の成長を喜び今までの苦労が報われた気が致しました。 

                           F記

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