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アメリカ ボランティア・学校編

​ 私がアメリカでもっとも影響を受けたことの一つがボランティアです。日本でも災害時にはボランティアがかけつけ、片付けを手伝う姿がニュースで取り上げられていますが、アメリカでは日常的にボランティア活動が盛んで、それに関わったことで、米国社会をより深く知ることができました。
 身近なところでは、小学校のクラスマムと呼ばれる、担任の先生のお手伝いがあります。授業補佐ではなく、掲示物の交換や、実験の準備、配布物の袋詰めなど、一つ一つは小さなことですが、このボランティアで先生の負担を軽減できますし、親も教室内の様子を知ることができます。特に駐在間もないお子さんには、近くにお母さんがいてくれることで心強く感じることもあり、おすすめです。
 先生が割り振ったスケジュールに合わせて週一回の人がほとんどで、私は二人の息子のクラスに通っていました。忘れられないのがクリスマス前に「いつもありがとう。」というメッセージを添えた小さなギフトを先生からいただいたことで、アメリカ人の先生の気遣いに感激しました。
 中学生のときは社会見学のときにシャペロンとして同行しました。先生だけで大人数を引率するのが難しいときに募集があり、私はもう一人のお母さんとバスで40分ほどのところにある博物館へ行きました。任されたのは乗降時の人数確認や館内で小グループに分かれたときの監督で、生徒たちとガイドの説明を聞きながら館内をまわり、有意義な時間を過ごすことができました。
 高校生になると、部活のボランティアが盛んです。一番多いのがファンドレイズと呼ばれる資金集めで、これは必要なお金を部員の人数で頭割りして親が負担するのではなく、子ども達が自分たちのために「稼ぐ」ことに協力します。
 よく行われるのがベイクセールと呼ばれる焼き菓子の販売で、親の役目はカップケーキやクッキーを焼くことです。校内の広場やカフェテリアに小さなテーブルを置き、お菓子を並べると、教室移動中の生徒がわっと寄ってきて、瞬く間に売れていきます。手作りで美味しいうえに、2ドル前後と安価で買いやすい値段だからでしょう。売り上げは用具の補修費や揃いのブルゾンのワッペン代など様々ですが、自分の焼いたお菓子が売れるというのもうれしいものです。
 演劇やミュージカル部では裁縫が上手なお母さんたちが見事な衣装を制作していました。出し物と配役に合わせて一点一点手作りで、家庭科が苦手な私にはプロと遜色なく見えます。スパンコールの糊付けで被服室におじゃましたときには、皆がにぎやかでとても楽しそうでした。
 語学力がないと躊躇せず、学校のボランティアはぜひ一度体験していただきたいです。我が子の学業や部活動に関わることができたという喜びもさることながら、アメリカ社会を知るとても貴重な機会になると思います。


相談員O

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