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香港で出会ってしまった太極拳
5年のアメリカ生活から日本に帰国し、2年後の夏、香港赴任になり現地幼稚園に入園が決まった3歳の二男の送り迎えが始まりました。その帰りに毎朝太極拳を練習するグループを目にし、中華圏に行くなら本場の太極拳を習いたいと思っていたので、ちょうど9月から住んでいるマンションの集会所で日本人生徒の新しい教室が始まったと聞き何も考えず飛び込んでしまいました。とても憧れていた太極拳でしたが、今まで経験したスポーツとはまるで違う無言でゆっくりした動きで、おしゃべりで落ち着きのない私には合わないと思い、いつ辞めよう早く辞めたいと思いながら帰国まで5年続けることになりました。楊式太極拳の最後のお弟子さんから修行した先生は上海出身の由緒正しき方で、日本語は喋れませんが片言の英語と中国語で熱心に太極拳の奥義を教えて下さいました。長身でスリムな先生が力ではなく体の軸で大男も飛ばす技を目の当たりにした時は太極拳が武術だと実感できました。日本人会の太極拳クラスの皆がお揃いの中国服を着て行う発表会のような派手なものもなく、ただひたすら練習の毎日でした。楊式太極拳には色々な術式がありますが、先生の太極拳は88式、そして剣を使う太極剣の57式は帰国後日本では出来る所がなく、香港で習っていた仲間で今も中央区体育館で月に一度集まり練習しています。先生が出版した中国語の太極拳の本を日本語に翻訳してくれた仲間、お弟子さんの資格を取って日本で太極拳を教えている仲間もいて、今も皆とても熱心です。自分には合わないと思っていた太極拳ですが、丹田に気を静めリラックスし体幹を使う動きは全てのスポーツの基本の動作で、いま毎日元気に怪我もなくスポーツジムで様々なレッスンを楽しめているのは太極拳を続けてきたおかげと思っています。
相談員T