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Vol. 30: アニメと日本語

独立記念日をはさんで、ロサンゼルスで全米最大のアニメ祭「アニメエキスポ」が開催されました。1992年にカリフォルニア州サンノゼ市で初めて 開かれたこのイベント、今年は4日間に延べ人数でなんと26万人も集める大きなものになり、アメリカ生まれの娘さんにせがまれて出かけた友人は、人の多さに圧倒されて帰ってきました。

話を聞くと、コスプレをして入場してくる若者が多いだけでも違和感があったところに、衣装はもちろん、フィギュア、ポスター等のグッズを売るブースの前は買い求める人が行列を作り、2時間待ちの表示をものともせず、さらに列に加わるファンがいて信じがたかったそうです。さらに主題歌を歌う歌手達が7000人収容の大ホールをいっぱいにしたと聞くと、日本のアニメ旋風のすごさに改めて驚かされます。

ポケモン、ドラゴンボールやナルトをテレビで見て育った子供達にとって、インターネットで配信されるアニメや携帯のアプリを楽しむことは自然な流れなのでしょうが、この下地が日本語を学ぼうという動機につながり、アーバイン市のコミュニティカレッジでは日本語クラスはどこも定員オーバーという盛況ぶりです。

生徒たちにとって、日本人と知り合いになる、友達になるというのは一番の上達法でもあり、日本語科では生徒のニーズにこたえるべく、授業補助にボランティアとして駐在員の主婦達に積極的に参加を呼びかけています。レベルは「あいうえお」を指導する初級から、スピーチコンテストを目指す上級まで能力別になっており、ボランティアをする側も英語を話さなければならない場面や日本について説明する機会もあって、どちらにもメリットがあることから帰国する人がいても次々と希望者が現れるのだそうです。

経験がないと、日本語を教えてと頼まれても躊躇すると思いますが、日本語クラスのボランティアになれば、手伝いながら教え方を学ぶこともできます。こちらの大学では短大・4年制を含めて、かなりの数が日本語科を設置しているので、習うだけでなく、教える側に立ってみるのも良い経験ではないでしょうか。

普段気にも留めずに話している日本語に関して「どうして『今日が晴れです』というのはおかしいの?」「『私は答えが知りません』はなぜ駄目?」という質問に、さてどう答えたらいいでしょう?

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